計測場所:国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター(E-ディフェンス)
日時 :2020年10月22日〜27日
計測対象:E-ディフェンス実験における5層RC試験体のモーションキャプチャーでの挙動計測
計測内容:モーションキャプチャー8台を使い、対象表面の全体挙動を計測を行いました。
従来の計測方法は、ひずみゲージや変位計を使用して計測するのが一般的でした。しかしながら、対象の大きいので、ch数も数百chとなり、貼り付けや大量の配線などで、準備に大変な工数がかかっていました。課題としては事前準備をどう削減できるか?解析データをリアルタイムにその場で確認するにはどうしたらいいか?などの問題を皆様抱えておられました。
そういった問題がある中、構造物全体の振動実験の計測では、最短工数で、3次元計測を可能にすること、30m以上離れての計測にも対応していること、出力は、変位量や速度、加速度等のデータがその場で提供できることが期待されました。
世界最大級の震動実験施設「E-ディフェンス」にて、鉄筋コンクリート造建築物(実物5階建て相当)を加振し、多点同時に変位量を計測・解析するため、非接触変位計測システム(モーションキャプチャー)を活用しました。
本計測では、モーションキャプチャシステム「OptiTrack」と解析ソフトウェア「SKYCOM」を使用しました。カメラは離れたキャットウォークに設置し、30m以上離れての計測にも対応したしました。計測箇所には反射マーカーを貼るだけで、そのマーカーの3次元位置座標を精度よく多点同時に計測することができ、振動に合わせ、リアルタイムにセンサーの位置情報を取得することができました。
計測したデータは解析ソフトウェア「SKYCOM」を使い、変位量をグラフだけでなく、数値と合わせて動画・3Dアニメーションで動きを確認することができます。リアルタイムで可視化できるメリットが大きいです。
モーションキャプチャシステムを使用した3次元計測で、どれくらいの工数が低減されたのか?
変位計やひずみゲージを使用した計測方法では、準備段階から大幅な工数がかかるもので圧倒的な差がでました。
本計測では1ヵ月かかる準備が3日に、実験工数が10分の1に大幅低減・リアルタイムで多点同時に計測を行っています。※内容や環境による。
非接触変位計測システム(モーションキャプチャー)は、カメラを複数設置し、計測対象物にマーカーを貼付するだけで簡単に高精度な計測が実現します。従来と大きく異なるのは非接触でマーカーの配線も不要で、準備、撤収がすごく楽です。特に今回のような大型な対象物であれば、工数短縮の効果は大きくなります。また準備時間だけでなく、リアルタイムの数値や波形を拾うことができますので、その場にいながら、全体の挙動とみたい箇所の数値が即座に確認できるのも特長です。
動的な試験、特に振動台(国内、屋外)では、見たい箇所を非接触に複数点計測でき、結果もリアルタイムでモニタリングできる点が従来システムに比べすごく良いとご評価いただきました。また、今回のように遠い距離でも、精度良く計測ができたので、今後大規模な計測においてはモーションキャプチャーが主流になっていくんじゃないかな?とお言葉いただきました
ご依頼者様である、国立研究開発法人 建築研究所 構造研究グループ 中村聡宏様に「日本建築学会」において論文を発表いただきました。
「11045 RC造建物の振動減衰性状評価方法の検討 その42 振動台実験におけるモーションキャプチャを用いた動的変位計測」 『一般社団法人 日本建築学会HPより』
モーションキャプチャーはここ2-3年の間に建築分野に多く普及しております。理由としては、試験前準備の工数、人員不足解消、精度向上が挙げられると思います。実際、多くのゼネコン、研究所、大学機関で導入が進んでいます。今後システムの進化も進み、より多くのシュチュエーションで活躍するべく、よりたくさんの方々からの声をお聞きできればと考えております。
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