自動車部品の溶接観察において、高感度高速度カメラとスパッターの粒径や個数を解析できるソフトウェアをを導入いただいた事例です。

当初、ロボットの溶接技術を向上と１工程にかける溶接時間短縮のテーマーがあり、「溶融池観察」と「スパッターの飛散」を解析したいということでお話しを頂戴しました。別の部署が所持している高速度カメラはあるものの、借りるのが大変、ハンドリングの問題、そもそも良い映像が撮像できないということで、MIG/MAG溶接を観察して定量評価に苦戦されていました。ご要望としては、定量的な解析/評価手法の選定でした。

アーク溶接トーチ先端の数センチ角が対象になっており、接写するとカメラやレンズへの影響がでたので、遠くから高倍率で撮像できるレンズを使いました。また、カメラレンズにはアーク溶接が綺麗に観察できるフィルターを装備し、特殊な照明をあて観察いたしました。（製造現場では高出力レーザー照明などの使用不可が多い）カメラのコマ数は2000/4000/6000で分けて撮影いたしました。この時は高速度カメラの中でも感度がよく、早く撮影できるMiNiAX200を使用しました。

お客様の環境下では照明の当て方次第で、溶融池、アークが鮮明に撮影できました。又、弊社のマクロソフトウェアを使用することで、スパッターの個数や粒子径も自動的に解析できる点も評価が高かったです。もう１点会社のルール上、高出力な照明（レーザー）は限った場所でしか試せないことから、今回お持ちした特殊な照明で撮影成功できたことが運用する面で一番大きかったと思います。
今まで見れなかったものが可視化、定量評価できたことで、今後の設計や開発に向けて良いデータが取れる算段がつき、導入いただくことになりました。

                          モノクロでの撮像　                                                   スパッターの径や個数をカウント

別部署が所有しているカメラだと、そもそも古いこともあり、画質や筐体の大きさがネックと聞いておりました。高速度カメラAXシリーズは、筐体の大きさも小さく、LANケーブル１本でPCと接続するだけで素早いセッティングを実現します。そういった意味では、そもそもの実験準備の工数も削減でき、且つ、今までより鮮明な画像を得られたことで定量的な評価に持っていけると聞いています。
溶接技術向上、時間短縮における、各設備の評価として、2023年現在も稼働率高くご使用いただいております。

高速度カメラを用いることで非接触で、溶接時の現象を捉え、画像処理を用いて設備ごとの定量評価も行えるシステムです。従来のカメラより感度を保持しており、高出力な照明を必要としないのも特徴です。又、レンズを付け替えることで、視野も自由に変更できたり、２台以上の同期撮影も容易です。
更に、スパッターの速さなども別ソフトで解析も可能。

当社別部隊所有のカメラで撮影した、動画像を解析できないか？ということでスタートしました。結果、もう少し鮮明な画像があった方が解析/評価がしやすいということでこのAXカメラをご提案いただきました。そんなに変わらないだとうと思っていましたが、いざ撮影いただくと想像していた以上の画質に驚いたことを今でも覚えております。撮像からお手伝いいただき、解析ソフトも当方に合わせたマクロを組んでいただき、このテーマーでは大変ありがたかったです。今後はレーザー溶接にTRY予定です。

年々、溶接のテーマーで課題をお持ちの企業様が増えている印象です。今回のようなアーク観察もそうですが、人とロボット絡みの案件もすごく多いです。
まだまだ人が行う工程も多くあるそうで、人の動きをロボットに学習、職人の技術を伝えるなど、人手不足解消など様々なテーマーをいただいております。いつかこのテーマでもお伝えできればと思っています。