自動車部品の研磨工程で動作分析システムを導入いただいた事例です。
職人が減っていく中、新人教育や既存社員の技術向上に最適なツールがないか?ということで弊社に声がかかりました。通常は、ビデオカメラでそれぞれ撮影を行い、目視でどこが大事で、どこを注意するなど、アナログ的な手法で解決策を模索されていました。
職人が伝えたい「コツ」「感覚」を具現化するのに課題があり、作業員へ的確に伝えるにはどうしたらいいかお困りごとでした。
ご要望としては、「動きの数値化」、「マニュアル化」でした。
工場内の(約5m×5m)が計測対象エリアとなり、高さや外部振動などの影響はなく、環境としては計測に最適でした。四角に三脚を立て、上下2台づつカメラを設置し、合計8台で全身を計測いたしました。作業者には専用のモーションスーツを着ていただき、全身に約40個弱のマーカーを貼り付けて計測を行いました。
動作分析システムは弊社では3つあり、画像処理/AIを使ったもの、光学系モーションキャプチャーを使用したもの、慣性式モーションキャプチャーです。今回はラインではなくトライエリアでの計測とお聞きしたので、精密に計測できる光学式モーションキャプチャーをご提案させていただきました。複数の赤外線カメラを用いて、スーツに貼った反射マーカーを認識し、全身を計測できる3次元のシステムです。
全身を計測することで、骨格モデル(アバター)を作成できます。
ご購入の決め手としては、動きを正確に数値化できたこと、事前に職人へインタビューを行い、ざっくりした作業のキーポイントにスポットをあて、そこの動きをさまざまな人で比較/考察ができたこと、データN数を増やすことで、作業の「コツ」、「感覚」を発見することができそうなど、研磨以外の作業にも転用できるというご担当者様ができるという判断によるものでした。
感覚を数値化することで、新人にどこが大事なポイントなんだというのが、伝えやすく、やる方も納得できるようになったと聞いております。人によっては、キーポイントも変わってくるそうで、N数をどれくらい取れるかが、ポイントとおっしゃっていました。マニュアル化も進んでおり、紙ベースで学ぶことから、動きを体験して学ぶことも広まりつつありそうでした。今では研磨以外の作業工程でも、計測を行なっているそうです。
動作分析システムは、カメラを複数設置し、マーカーを貼付するだけで簡単に動きを数値化できます。全身をキャプチャーすることも可能ですし、手元やツールなど、細かい動きをする箇所でも3次元で計測が可能です。ビデオ映像よりラフに動きを算出する物も出回ってますが、モーションキャプチャーのように微小な動きを再現性よく計測できるものは他にはありません。外光の影響も受けず、データーも動画像より軽く扱いもスマートです。また、比較機能により、うまい人、下手な人でグラフや数値を比べることができるのも特徴です。
導入する前は、正直ビデオ撮影などでレポートや勉強会など重ねましたが、議論が進まず苦労しておりました。いかに作業効率を上げるか、技術をうまく継承することに課題はあったものの、社内での取り組みが事態が遅かったのも原因のような気がします。実際システムを導入することで、部内も盛り上がり、良いきっかけになりました。個人的には、想像以上に滑らかな動きをアニメーションで見れたのは感動でした。
工場には特設スタジオがあるわけではないので、全身を計測する場合は三脚やカメラ設置が手間で、そこは運用面での課題です。カメラ台数を減らして、計測できればいいですが、実際のラインなどでもやることを考えるとそうも言ってられないので、手だけ、ツールだけに絞って計測することも視野に入れております。
動作分析システムは、測定する部位によってはカメラ台数が多く、設置に時間を要するデメリットはあるものの、複雑な動きでも正確に計測でき、数値化/分析できることは大変メリットがあると存じます。専用のスタジオを作る必要もなく、どこでも自由度高く計測ができますので、今回のような工場、病院リハ室、大学研究室、会議室、屋外施設など様々な場所で動作分析をしたい方には必見かもしれません。
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